未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
「じゃあ戻んなきゃいけないの?」

「そうよ。急がなきゃっ」



さっき来たばっかりなのに、いそいそと部屋を出ていこうする二人。

もたもたしてたら怒られそうだ。


わけもわからず後に続こうすると ――



「なにやってるの? アナタはここに残るのよ」



長い爪をした細い手がニョッキリと顔の前に出てきて。

ココさんに制止された。


……えっ どうして?



ドアを開けて出ていきかけたリサさんも顔だけ戻して言った。


「アンタまで帰ってどうするんだよ?」


それにココさんが続ける。


「アナタには責任とってもらうって言ったでしょ?」


意地悪く笑うその笑顔に、背筋がスーっと寒くなった。



バタンッ


カチャリ



知らないホテルの一室に一人、あたしは置き去りにされた。


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