未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
流れる景色を目で追いながら、ベッドの上で言い合った時のことを思いだしていた。
『好きで好きでどうしようなくて………
やっと伝えられたのに通じあえたって思ったのに。
離れてくなよ……こんな好きなのに』
あの告白をあたしは一生忘れないかも、なんて思う。
切なげな表情を浮かべ、訴えるように言ったあの言葉を。
あの時の彼を。
想いが通じ合えたってことは……
あたし、辻之内のカノジョになるってことかな?
でもそれって、かなりヤバイよね。
なにしろ王子様だもんね。
騒がれちゃうかな?
辻之内ファン多いしなぁ~。
でもいざという時は、ちゃんとあたしのこと守ってね?
だってあなたはあたしの、あたしだけの王子様なんだから。
……なんて。
やわらかな髪をそっと撫でると、少しだけ動いた彼は、すぐにまた静かな寝息を立て始めた。