未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*


食事を終えて店を出ると、空はもう暗くなり始めていた。


リサさんの運転する車に乗って横浜をあとにする。



助手席に座る虎太郎さんは、ずっと鼻歌を唄っていて。


あたしは後ろで、一日の疲れをどっと感じながらも眠ることができずにいた。


だってあたしの膝の上では、すやすやと寝息を立ててる辻之内がいたから。


時々 「んんっ」 なんて言いながら、もそもそと彼が動くたびに。


ちょっとくすぐったくて、いっぱいドキドキして

顔が熱いのなんのって。


誰にも見られてなくてよかった。

いまのあたし超ド級に赤面してるよ、きっと。
< 379 / 406 >

この作品をシェア

pagetop