未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
食事を終えて店を出ると、空はもう暗くなり始めていた。
リサさんの運転する車に乗って横浜をあとにする。
助手席に座る虎太郎さんは、ずっと鼻歌を唄っていて。
あたしは後ろで、一日の疲れをどっと感じながらも眠ることができずにいた。
だってあたしの膝の上では、すやすやと寝息を立ててる辻之内がいたから。
時々 「んんっ」 なんて言いながら、もそもそと彼が動くたびに。
ちょっとくすぐったくて、いっぱいドキドキして
顔が熱いのなんのって。
誰にも見られてなくてよかった。
いまのあたし超ド級に赤面してるよ、きっと。