未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
保健室の前を過ぎ、角を曲がったところでキジモンと出くわした。
「おう。オマエ達、日誌はできたか?」
「先生の机の上に置いてきました」
そう告げてから、ペコリと頭を下げ立ち去ろうした。
だけどキジモンは「ご苦労さん」と言いかけて。
「あれ時田、どうしたんだ?」
何故かあたしを呼び止めた。
「はい?」
どうした? の意味がわからなく聞き返すと。
「顔が赤いけど熱でもあるのか?」
「へっ!?」
そして、目の前に立つキジモンと横にいる辻之内に繁々と顔を見つめられ……。
ちょっとっ止めてよー!
辻之内なんて「ホントに真っ赤だ」なんて不思議そうな顔しちゃって ── って、どんな天然よ?
いったい誰のせいでこんなんなってると思ってんのよ!