未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*

「せ、先生! 私、か、か、帰ります。サヨナラッ!」


あまりに居たたまれなくて、その場を離れようとした。

それなのに。
なのにキジモンってば「そうだ。それから時田」 だって。

もう、なんの用よ?


「……なんですか?」


恐る恐る振り向いた。


「この前の特別授業のレポートの提出まだだろ。クラスでお前だけだぞ」


げ……。
その話? ひそかに気にはなってたのよ、気にはね。


「できるだけ早く出してくれよ?」

「……はい」


一気に気持ちが萎えて、疲労困憊のまま帰宅したあたしだった。

< 42 / 406 >

この作品をシェア

pagetop