未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
「せ、先生! 私、か、か、帰ります。サヨナラッ!」
あまりに居たたまれなくて、その場を離れようとした。
それなのに。
なのにキジモンってば「そうだ。それから時田」 だって。
もう、なんの用よ?
「……なんですか?」
恐る恐る振り向いた。
「この前の特別授業のレポートの提出まだだろ。クラスでお前だけだぞ」
げ……。
その話? ひそかに気にはなってたのよ、気にはね。
「できるだけ早く出してくれよ?」
「……はい」
一気に気持ちが萎えて、疲労困憊のまま帰宅したあたしだった。