未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*

「だから湊、今度4人でカラオケ行こう!」

「は?」

「ちょっとぉ聞いてたの?」


一応聞いてた。と思うけど、でもなんであたしがカラオケに? それに4人って?

理解できなくてリカの顔を見る。


「前に話したでしょ? 5組の林田のこと。ナカジーの親友の林田が湊のこと可愛いって言ってるって」


そんなの聞いた覚えがあるような無いような……。

林田って確かサッカー部でツンツンヘアーの──って、だからってどうしてあたしが一緒に?

ますます理解に苦しんで眉間に皺をよせたその時、メンズ仕様の香水の香りと共に間近で声がした。


「誰に可愛いって言われてたって? 俺の湊に手ぇ出そうとしてる輩はどこのどいつだよ!」


なんて言いながら、慣れ慣れしくあたしの肩に手をまわす男が現れた。


「ちょっと離してっ」


すかさず振り解き傍らに立つ吉井を睨みつけると………
ん? 背中に感じるこの人の気配は一体──……?

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