未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
Chapter3

*熱っぽい

* * *


次の日の朝、それは登校後のひと時のこと。


「それでね、聞いてよ!『大丈夫か?』って一番に駆け付けてくれたのがなんとナカジーだったんだよ!」


いつもの朝と同じようにあたしの机の前には、立ったままおしゃべりを続けるリカがいて。


「それからね新発見なの! ナカジーってカラオケ好きらしいんだよね。なんかインテリな雰囲気が、そういう風に見えないよね? ねぇ湊はどう思う?」


話題は大抵リカ本人の恋バナで、同じテニス部にいる想いビト ── 三組の中島のこと。


「後ね、ナカジーがぁ……」


昨日ナカジーが、〇〇をして〇〇って言って……〇〇を食べてて〇〇を読んでて……。

日替わりランチメニューよりネタは尽きない。

まあ、恋する乙女はそんなもんなのだ。なんて思う。

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