未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*

あれ? やだ、なんか………うそ、痛い!


「ひはーいっ(痛ーい)!!」


そのリアルな刺激に瞼を開くと、あたしの顔を上からのぞきこむ人物がそこにいた。

「おはよ」っていつも通りの穏やかな口調、ふんわりとした微笑み。


でもでも!

つねるなんてヒドい! しかも結構痛いしっ。


「なにするの!?」


頬っぺたを擦りながら見上げると、辻之内はくすりと笑った。


「だって時田、まったく起きないから。それにしても仮病のくせに熟睡しすぎだよ」


あきれたようにそう言って、あたしが寝てるベッドに腰を降ろした。


「……仮病?」

「うん。微熱も顔が赤くなったのも具合が悪いわけじゃない」

「え」

「時田って、ちょっと触れただけですぐ赤くなって、おまけに挙動不審になって話したらドモりだすし」

「な、なによ、それ?」

「ほら、図星でしょ?」

「////っっ!!」

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