未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*

*あなたに従う



そしてそれは、4時間目の英語の授業中のことだった。

つんつんっと右腕をつつかれて横を向くと、辻之内が机の上のノートをあたしの方へ差し出していた。


「………?」


視線を向けるとノートの左上に何か書いてあるようで、教壇の上を気にしながら身を乗り出しのぞいてみる。


“レポートは書けたの?”


声に出さずに読んで顔を上げる。

そしたら、無言のまま首を傾げ “どお?”って顔の辻之内がこっちを見てて、あたしは自分の教科書の右端にシャープペンを走らせた。


“書けてない (--;) ”


それを見せると、あたしの文字を読んでうなづいた辻之内が、ノートの端にまたなにやら書き始めた。

< 93 / 406 >

この作品をシェア

pagetop