俺様狼と子猫少女の秘密の時間③

――
―――
――――……


「キャアァーーーッッ❤」



…そして、今。

というわけ。


当然本意じゃない…とはいったものの、なにか囁かれた先輩があろうことかぴくっと反応
を示し、ものすごーーく渋々ながらも了承したのはたしか。

プロのモデルさんですらないのにギャラの値上げまでした先輩をあたしはもはや尊敬します。

一枚につき五百円アップさせた。

つまり五十枚だと…なに? まあせんごひゃくがごじゅっこってことっすよ。


「いーね! じゃ次はうんと色っぽく」


“すかうと”してきたおじさまはカメラマンだったらしい。

たった今、史上最大に無茶なことを言った人。

なんかね…松本だか坂本だかそんな感じの名前らしい。


「ああっ! やっぱりキミはニラミが最高だ!」


ギャラ値上げしてさらになんか条件つけた(らしい)くせに、カメラマンの指示一切無視で睨みっぱなしって…。

今更だけど先輩いい根性してるよね。


ロープが張り巡らされている中に特別に入れてもらえているあたし。

ロープの外のギャラリーはどんどん増えている。

中入れてもらえてよかった…。


「…しかしかっこいい…」


ぽおっと見つめながら、思わずそうこぼした。


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