My Romeo & Your Juliet 【完】
「決めた!お前、俺の相手役にするから」

「はいっ…?」

「明日の放課後、野外ステージに来い」

「む、無理です!
あたし、お芝居なんてしたことないし…」

「大丈夫、最初はみんな初心者だから。俺が教えてやるよ」

ポンっと肩を叩いて、あたしの耳元で低くささやく。

その声が妙にセクシーだったのと、一瞬見せた笑顔にクラっときて上手く声が出ない。

「じゃ、待ってるから」

あたしの返事を聞かずに、先輩は行ってしまった。



このままだと演劇部に入るしかないのか、あたし…



先輩、さっき言えなかったんですけど…

あたし人前に出るの苦手です。

ついでに男の人と目を合わせて話すのも苦手なんです。

どう考えても、
演劇なんてキャラじゃありません。
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