これが僕らの愛のかたち 【短編】
長く続いたトンネルがやっと終わった。

すぐに新幹線が次の駅へ停車するというアナウンスが流れる。

次の駅は終点で停車時間が長いからか、僕以外に席を立った人はいなかった。

電車が駅へ到着するのは、まだ三分ほど先のことだ。
 



僕はパーカーのポケットから携帯電話を取り出し、電源を入れなおして出口へと進んだ。

停車前に
『今、着いた』
とメールを打っておきたかったからだ。


「電車の座席での
携帯電話の使用禁止」


と、律儀にルールを守っている彼女の影響で、僕もそういう習慣がついた。


ルールを守るということは慣れてしまえば簡単で、毎日同じメーカーのコーヒーを買うのと同じぐらい普通のことだ。
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