恐るべし隣の山田メガネ君

思い返せば…


大体隣の山田メガネ君は隣の席になった時から気に食わなかった。


私、野々山美鈴(ノノヤマミスズ)はいわゆる腐女子でございまして、美男子達のラブストーリー(二次元のね)が大好物だ。

だから、学校でも休み時間などにたまにBLマンガなどをコッソリ読んだりしている。

そしてその日はたまたま机の中に読みかけのBLマンガを入れていた。

そのBLマンガが不運な事に、掃除の時間に私の机の中から脱走してしまい、それを隣の山田メガネ君に拾われたという訳だ。

ちゃんとカバーがかかっていたからセーフだと思ったのに…、山田メガネ君は何を思ったか、パラパラと中味をチラ読みし、そして固まっていた。

さては山田メガネ君、BLというものに免疫が無いな?と思った時にはもう遅く、ヤツは私を冷めた目で見つめると、


『お前クールなフリして腐女子かよ。』


と言い放ちやがった。


別にいいじゃん!


私は真面目に勉強だってやってる普通の女子高生だけど、ちょっとばかし外見が大人っぽくて背もデカいため、黙っているとしっかりしたクールなお姉さんタイプに思われる事が多い。

そのためか、夜な夜なBLマンガに萌えまくってるモテない女だとは誰にも気づかれてはいない。

友達にも腐女子とは言ってないしね。

なのに…よりによって隣の山田メガネ野郎なんかに知られてしまうなんて。

ちくしょうめ…。

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