悪魔なキミと愛契約


「部屋はまだかなり気温が下がっていた。
そんなところに戻れと?」


お、おまえがやったことだろ?

逆ギレしてんじゃねーよ。


「っていうか、チヅ――」

「サラ様、さっきからどうされたのです?
地図が必要なのですか?
まぁ、この屋敷もかなり広いですからねぇ」


「……え、いや、その、違くて」


「サラ様の為に地図をお作り致します。
少し時間を頂けますか?」


「……え、あ、はい」


思わず頷いてしまったけど……

そうじゃないんだって。


人の話、最後まで聞こうよ。


でもまぁ。

チヅルさんに何かあれば、シキ達も気付くはずだよね。


シキがこんなに落ち着いてるってことは、チヅルさんにはなにもなかったってことかな。


きっと、そうだよね。




「あ、そうだルカ」


「………」


「明日、ピクニックやるぞ」


「はっ?
ピクニックだと?」


「シキ、明日私がお弁当作るから材料準備しててくれる?」


「ええ…それは結構ですが……」



不思議そうに首を傾げるシキと

とても嫌そうに頬を引きつらせるルカ。


ルカのあの笑顔を取り戻す為に


あの写真に写っていたピクニックを再現したい。




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