悪魔なキミと愛契約
「選べだと?
最初からそんなつもりないくせにいちいち聞いてくんじゃねぇよ」
「ほお。
ならば、どちらを選ぶつもりだ?」
「どっち…って」
思い切り答えてやろうと思ったけど、一瞬躊躇った。
コイツの言いなり通り、ここへ残る意味があるのか。
――『ルカをこれ以上傷つけられたくなければ』
本当に、ルカに手を出さないって保証はない。
賭けてみるしかないのか?
私が奴隷としてここで働けば、万事うまくいくんだろうか。
「帰るぞ」
突然、ルカが言った。
「兄上。
コイツに働かせても兄上の荷物になるだけです。全く無意味です。
それにいるではないですか。
兄上の隣に立派な従者が」
ルカは真っすぐにヘイリを見ている。
真剣だった。