BEST FRIEND
早口でまくし立て、ハルは家の中に飛び込んだ。そして一気に自分の部屋に行く。
「ハルー?お風呂の用意出来てるわよー。ハルー?」
一階からお母さんの声が聞こえたけど、ハルは応えなかった。
「親友でいい。親友で…」
想いは伝えた。ずっと伝えたかった想いをやっと言えた。降られてもいいって思ってた。
なのに何でこんなに寂しくて悲しいんだろ。
今まで通り親友で楽しく過ごせればいいのに、何でこんなに苦しいの。
それはきっと、夏海を諦めきれてないからだ。夏海の事が好きで好きで、夏海の特別になりたかった。けど、私の想いは夏海の心を動かせなかった。
楽しい誕生日だったのに、自分で壊してしまった。
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