BEST FRIEND
ボールが夏海の前を通り過ぎようとした瞬間、夏海が笑ったのがハルには見えた。
夏海は振り上げたバットを斜め下に一気に振り下ろし、カツンとボールを捉えた。そしてそのまま腕の力でボールを弾き飛ばす。
「な!?」
冬馬が驚きの声を上げたと同時に、ボールはグランドの端まで飛んで行き特大ホームランとなってどこに落ちたか分からなくなった。
夏海は余裕しゃくしゃくでベースを踏んでいき、ホームベースを丁寧に踏んで呆然とする冬馬を見た。意地悪な笑顔を浮かべて。
「悪いな冬馬。今日も私の勝ちだ」
その瞬間冬馬は夏海に駆け寄り、
「夏海!最初の二球わざと見送ったんでしょ!?」
「最後の最後で勝つのが楽しいんだよ」
「嫌なやつー!」
そうとう悔しいのか、冬馬はグローブを外し地面に叩き付けた。
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