『想いのカタチ』 (短編小説)

佐野:「…考えてくれた?あの話」
一ノ瀬:「…どんなに考えても答えが出ないの」
佐野:「どういう事?」
一ノ瀬:「私、渡の事は好きだよ。でもタケも奈々ちゃんも大好きなの。渡だけ特別には想えなくて…。今までみたいじゃ…ダメかなぁ…?」

涙ぐんだまま俯いた蒼の肩を、渡はそっと抱きしめた。

佐野:「…誰か好きなヤツでも…いるの?」
一ノ瀬:「(首を振る)」
佐野:「俺、今までずっと想ってきたから…もう少し待ってるよ(笑)急がなくてもイイから…」
一ノ瀬:「…ゴメン、私にはこれ以上の答えは出せないよ…。ゴメン」

肩に置かれた手を振り払う様にして部屋へと走った。奈々沢の眠るベッドに潜り込むと、止めどなく涙が溢れ出した。奈々沢に背を向け、起こさない様 必死に声を殺した。

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