桜雪
なんの変化もない毎日がただ流れていくだけ。


家では親に縛られ

学校では教師に縛られる。

なによりこの空間は単独行動を許さない。


大人になったら何か変わるのかな。

このつまらない世界も楽しく見えてくるのかな。

もしそうなら...

早く大人になりたいな...。

学校が閉まる時間になり

放送委員会の人の声が流れる。

「ユナ、かえろっ?」

「うん。」

放課後はこうやって窓の外を見下ろし


下校時刻になればアスと帰る。


これが今の私の習慣。


この習慣さえも変化がなくて


つまらないものだった。



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