桜雪
アスと家の前で別れてドアの鍵を開ける。


両親はまだ家に帰っていない。


学校から帰ってきて


両親が帰ってくるまでのこの時間が


唯一心がやすまる時間だった。


「はぁ...」

ため息をついて制服を脱ぎ捨てベットに潜り込んだ。


なんだか今日は疲れて眠かった。


寝ている間に小さい頃の夢を見た。


まだ幼い私は母親に手をひかれながら

デパートのおもちゃ売り場にいた。

そこで私はその頃はやっていたお人形が欲しいと

母親にねだってる。

母親は幼い私にこう言い放った。

「こんなものいらないわ。ど‐せゴミになるんだもの。
大人になって自分でお金を稼いでから買いなさい。」

自分の頬を伝う冷たいものに気がつき

目が覚めた。

携帯で時間を確認すると7時、まだ両親は

帰ってきていない。



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