キミだけをずっと


〜 愛美 side 〜


卒業式当日


朝から家の中ではザワザワと忙しそうだった



「ビデオの準備は?」


「大丈夫」


「ハンカチとスリッパ」


「だからあるって」



お母さんと悠真が二人で言い合っていた



「もう私行くよ?」


「待って!悠真、カメラ!」


「はぁ?」



振り回されている悠真は苛立っていた




家を出てすぐに隣の大樹の家を見ると


同時に大樹も玄関から出て来たところだった


柔らから笑みで大樹は私を見て



「おはよう、今日は晴れててよかったな」


「そうだね♪」



道路に出ると大樹と向かい合わせになり



「学校行こ?」


「うん…」



最後の学校の登下校


あっというまだったな


たった半年の高校生活だったけど







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