星の数の恋よりも月と同じくらいの恋
―――悠諳の目線―――
乙香ちゃんからの手紙が届いたが、
いまだに開けることができない…
今までなら、あんなに楽しみで
真っ先に開けて読んでたのに…
「悠諳にぃ読まないの?
悠諳にぃの好きな人から手紙が
来たんでしょ?」
「悠陽…、そうだよ
好きな人からの手紙…
だけど、読みたくないときもあるんだ」
「じゃ、僕が読んであげるよ」
―悠陽には敵わないな―
ランドセルを背負ったまま
俺のお見舞いに来てくれた悠陽に感動しつつ、
改めて、できのいい弟だと思った…
「自分で読んでみるな?
返事書いたら、
今日も看護師さんに渡してきてくれるか?」
「うん!僕行ってあげる」
意を決して手紙を開けた
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