コイビトは
ラヴィコが突然俺に詩を書かせるなんて話をしだしたけど、この二人はいったいどう思っているのか。


迷惑がられていないといいんだけど。


それとも、あれはラヴィコの思いつきで、本当は作詞者なんて探してなくて、受けた俺に対しても『空気読めよ、コイツ』と思っているのかもしれない。


しかし、リディルルはそのまま、何も言わずに部屋を出て行ってしまった。


残されたのは、俺とライ。


気まずい。



いったい、この人はどうしてオカマなんて職業をやっているのか。いやたぶん、職業でもなくて、オカマって言ったらきっと怒られるんだろうけど。



でも間違いないのは、美容にもオシャレにも気を使っている、とてもきれいな人だ、ということ。




「ススキダくんって、えーと」


何を話したものかと思案しようと思ったら、ライのほうから話しかけてきた。
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