マスカラぱんだ


でも先生は、何度も首を横に振りながら、震える声を押し殺して、私にこう告げた。


「減らないよ。余計辛くなる。良かった。泣いてくれて。こんな思いのまま、紫乃ちゃんを抱かなくて、本当に良かった。」


先生は私に手を伸ばすと、シーツの上から優しく抱きしめてくれた。

先生の胸の中は、いつもと変わらず温かい。

そんな温かさに包まれながら、考えを巡らせた。

私は前から、先生にキス以上を求めて欲しいと、密かに願っていた。

なのに、いざとなったら涙を流してしまった。

どうして?

自分の涙の意味がわからない。


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