マスカラぱんだ
ドキドキする鼓動を自覚しながら、先生の言葉の意味を考えた。
あ、そうか。
先生には悪いけど断ろう。だって私は。
「葵先生?絶対無理だと思う。私、頭悪いからお医者様のお手伝いなんて出来ない。」
「ん?医者の手伝い?アハハ!それもいいかもな。全く・・・。紫乃ちゃんは可愛い過ぎる。堪らない。」
私の頬に当てていた、大きな先生の手があごに移動する。
その手に力が入るのを感じると同時に、私は上を向かされて。
先生の唇と、私の唇が重なった。
「ん・・・」
急に先生にキスされた私は何がなんだかわからなくて、一瞬戸惑った。
でも、これだけはわかったの。
先生とのキスは、とても幸せだって。