マスカラぱんだ


「そうだよ。この人は僕の大事な彼女の紫乃ちゃん。」

「拓真君?初めまして。福田紫乃です。」


拓真くんに手を差しながら、君は挨拶をする。

僕は見逃さなかった。

君と握手をしている拓真君の顔が、みるみる赤くなるのを。

もしかして、拓真君の初恋の人が、僕の大事な君になったかもしれない。

僕は、はにかむ笑顔を見せる拓真君を見つめながら、複雑な心境に陥った。


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