マスカラぱんだ
**紫乃**
公園を走り回った、楽しい時間はあっという間に過ぎ、拓真君を家まで送った帰り道。
私は、晴れ晴れした気分に包まれていた。
理由はただひとつ。
私は自分の想いを、誰よりも早く先生に聞いて欲しくて口を開く。
「先生!私、保育士になりたい!」
「保育士?」
「そう!私、ピアノも上手じゃないけど弾けるし、それにさっきの拓真君の笑顔が忘れられない。」
拓真君と遊んでわかった。
自分が、子供と関わるのが好きだと。
あんなに悩んでいた答えが、こんなに簡単に見つかるなんて思わなかった。