マスカラぱんだ
でも自分のこの思いに、迷いがないのだけはハッキリとわかる。
こんなに簡単に自分の将来を決めた私に、先生は温かい言葉を掛けてくれた。
「紫乃ちゃんが決めたのなら僕は応援するよ。でも、拓真君に感謝だな。」
「本当!葵先生、男の子って可愛いね?私、葵先生との子供は男の子がいいな。」
私は、自分の進路が少しだけ前進した安心感から、幸せな気持ちになって考えてしまった。
先生と私が、一緒に暮らしている姿を。
その横には、先生と私の可愛い子供が。
私は先生を置き去りにして、妄想の世界へ入り込んでしまった。