マスカラぱんだ


**葵**


トイレから出て来た彼女は・・・別人だった。

これってほぼ、スッピンだよな?

あんな化粧なんかしなければ、ただの可愛い女の子なのに。

こんな考えをしてしまう僕はもう、おっさん?なのか?

自分で“おっさん”という単語を用いたくせに、少し落ち込み心が沈む。

そんな僕に彼女は、恥ずかしそうにしながらお礼を口にした。


「あの。本当にありがとうございました。」


短いスカートから伸びる綺麗な足に、キラキラと輝く爪。


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