マスカラぱんだ
**紫乃**
約束通り、先生はこの特別室に来てくれた。
しかも頭を下げて私に謝っているし。
そんなこと、気にしなくてもいいのに。
それより先生が私のことをどんな女だと思っているのかが、気になって仕方ない。
先生は私を“軽率な行動をする女”と、思っているの?
不安の波が容赦なく私を襲う。
本当ならこんなこと言いたくない。
でも、誤解されたままでいる方がもっと嫌だった私は、思い切って口を開く。