想い出の宝箱
入りたくなかった
翔太が同じ病院だとは聞かされてなかったけど
さっきの看護婦たちの話からして
翔太はこの病院にいる
でも、ここに入ったらこの現実を嫌でも受け止めなければならない
頭の中では見たくないと言っているのに
体は翔太に会いたくてたまらなくなり
集中治療室へと足を踏み入れていた
本当だったら入ってはいけないけど
今はまだ朝早いため医師は誰もいない
聞こえるのは機械音と呼吸のようなスース―と言った音だけ
私は必死に翔太を探していた