小悪魔★boy
容赦もいい、
運動神経もいい、
頭もいい、
暇潰しと言う暇潰しはもうやりつくした。
非凡も平凡になってしまった俺達が
最後に行きついた暇潰しが
これだ。
『皆賭け金払えよ』
俺は真っ直ぐに腕を伸ばして手を開く。
『信吾、千円。美波、千円。光秋、五百円。』
『はいはい、』
『チッ』
『いい加減負けてくんねーかな。』
『お前らが弱いの。』
退屈しのぎの中の、
退屈しのぎは、
俺が考案した趣味の悪い賭けだった。
『どうやって振ったの?』
美波は二本目の煙草を取り出した。
『お前吸いすぎ』
『うるさいよ。』
俺は携帯を制服のポケットに突っ込んで
立ち上がった。
『泣かさなきゃ面白くないね、』
俺が優しく笑うと
美波は煙草の煙を、溜め息と一緒に吐き出した。
『悪魔だな。』