野良犬


しかして人間は、思ったより俊敏であった。


すぐに餌の器から手を放し、さっと檻から腕を引っ込めたので、今度はその手を追いかけるように檻の入り口へ牙を向けた。


あと少しでその手に食らいつけるという時である。


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