Frist time


宏の突拍子もない言葉に心臓が急に動きだす。


「ばっ…んなわけねぇーだろ!ただ、気になってるだけで…」

「だって気になるんだろ?」


宏が頬杖をつきながらいやらしい目つきで俺を見てくる。

くそー、こんな顔をしても絵になるのがさすがすぎる。


宏の言葉をきっかけに、“好き”なのかどうなのか考えてみる。


確かに気になっているのは間違いない。

でもこのモヤモヤ感は何だ?

それに梨華の時のような激しいドキドキも何もないし、イマイチすっきりしない。

それにあっちは、俺なんてまるで他人であるかのようにシカトしたりするし。



そんなのに振り回されてたまるかよ。



< 110 / 154 >

この作品をシェア

pagetop