Frist time
宏の突拍子もない言葉に心臓が急に動きだす。
「ばっ…んなわけねぇーだろ!ただ、気になってるだけで…」
「だって気になるんだろ?」
宏が頬杖をつきながらいやらしい目つきで俺を見てくる。
くそー、こんな顔をしても絵になるのがさすがすぎる。
宏の言葉をきっかけに、“好き”なのかどうなのか考えてみる。
確かに気になっているのは間違いない。
でもこのモヤモヤ感は何だ?
それに梨華の時のような激しいドキドキも何もないし、イマイチすっきりしない。
それにあっちは、俺なんてまるで他人であるかのようにシカトしたりするし。
そんなのに振り回されてたまるかよ。