Frist time


亮に聞いたところによると行くのは午後4時に学校の最寄駅で待ち合わせらしい。
そんなこんなで今はもう6時間目。もうすぐ放課後になってしまう。


「なんでこういう時って、時間が経つのが早いんだろうな・・・」


思わずため息が漏れてしまう。
そして机に突っ伏すと、だんだん睡魔が襲ってきた。でも授業が終わるまであと5分。今寝たら完璧まずいよな。
この前みたいにずっと寝てたりしたら、亮に叩き起こされるし。
あーせっかくの自由な放課後なのになあ。こんなことなら家にそっこーで帰って夕寝出来たし・・・



なんて悶々と考えていると、授業終了を告げるチャイムが鳴った。
行きたくない気持ちが勝って机に突っ伏すと、いきなり頭を強く叩かれた。
そんなことをするやつは、あいつしかいない。つーか、来るのはええええ。


「痛ってえなー・・・
わかってるよ、亮。行くから。」


叩かれた頭を抑えながら視線を上にあげると、そこにはやっぱり亮の姿が。
顔を見る限りかなりのご立腹のようだ。だってお前にとっては重要事項でも、俺にとってはどうでもいいことなんだよって言葉が出かけて止めた。俺偉すぎる。


「翔くん!い!く!よ!」


やっぱりはっきり言ってやるべきだったか。この浮かれポンチめ。




ほんと、ついてねえ。

俺は今日一番のため息をついた。




< 16 / 154 >

この作品をシェア

pagetop