INCOMPLETE A PICTURE BOOK
入学式を終え、担任も覚え、何人か友達もできた。
頭の悪いあたしがここ、
精華(セイカ)高校という、進学校に入ったのにはわけがある。
“この学校には異世界への入り口があり、そこでは願いがひとつだけ叶う”
と昔、父に聞いたことがあるからだ。
潤は自分の願いを叶えるために、家から遠いし、頭もいいし……
な、この学校を無理に受験したのだった。
合格したのは自分でも予想外だ。
一週間前から始めた一人暮らしにも慣れ、入学式を終えたその日に、噂の立つ場所。
保健室にむかった。
そこで、潤の運命は変わる。
いいのか悪いのかはさっぱりわからないが……