INCOMPLETE A PICTURE BOOK
そんなことない!
どれだけうざがっても、ここまで来るのが楽しくないわけじゃなかった。
自分の気持ちに嘘は付けない。
でも、太郎や、お供の諦めたような、なんともいえない表情が、潤に何も言わせなかった。
「……え?何?」
鬼は目の前で起こっていることについていけていない様子。
「……とりあえず、ご飯でも食べていく?お母さんの卵焼きおいしいんだよ!」
みず知らずの潤たちに鬼は笑顔で、ご飯に招待してくれた。
お母さん。
といったということはこの鬼はまだ子供だったのだろうか。