Ti Amo
"ガチャン"
その日、父さんが帰ってきたのを扉の音で感じた俺はいつものように玄関まで迎えに言った。
「お父さんお帰り!ご飯の準備できてるよ!」
俺が笑顔でそう言うと、いつもなら"ただいま。今日の学校は楽しかったか?"って、俺の大好きな笑顔でそう聞くはずの父さん。
しかし、今日はなぜだか違う空気を感じた。
「はぁ‥‥」
溜め息を吐くと、俺の存在を無視し、リビングへ向かう父さん。
子供だった俺は父さんに無視された事がとても不思議だった。