初彼=偽彼氏
なんだろ、この用件のみ言って終わりみいな感じ……。説明を要求したのはたしかにあたしだけど、なんかヤケにあっさりしてる気がする――。
そんなことを一人もんもんと考えている時に、あたしは先程まであたしと神藤くんを覗き見していた人達に囲まれていた。
なにこの人数。てか多すぎるでしょっ!
「――ちょっと良い?」
多分この中の中心人物であろう人に話し掛けられたけど、あたしになんの用があって話しかけてきたの?
てかこの人達って神藤くんがさっき迷惑してるって言ってた、神藤くんに言い寄ってくる子達?
「――なに?」
……と、不機嫌そうに呟くのは危険だったかもしれない。
「……あなた一体神藤くんのなんなの!?」
――うわぁ……。随分と甲高い声。よくマンガとかにありそうな光景……
…あたしがそれをされてるんだ、……ってそうじゃなくって!
「――なにって、なにが?」
苦笑を含んだ笑いを顔に浮かべながら、はっきりそう相手に言い放てば。
「……なっ、私達が言いたいことがあなたはわからないの!?今日の昼休みから神藤くんとあなたが過ごしていたのはどうしてなの!?」