初彼=偽彼氏


「……どんな日々に変わるの」


「そうだな…。オレ達が付き合うことになれば、確実に騒ぎになるの間違いないと思う。多分すぐに噂と事実は広まるから、騒がしい日々へと変わることになるのは目に見えてる」


「……そうなんだ……。わかった、少し考えてみるね。2日で決まれば良いけど――」


「すぐに決まるわけないと思ってるし、全然長引いて良い。決めるのはオレじゃなくて姫季だから」


「――……うん」


「…まぁとりあえず今日は理由聞いてくれてありがとな」


「お礼なんて…っ、あたしから言い出したことなんだから全然良かったのに」


「良かったって…はははっ」


「なんで笑うの~?」


 …神藤くんまだ笑ってる。…なんかあたし変なこと言ったかなぁ?


「そういえば、裏庭のテラス来たの久々。姫季はけっこう来るのか?」


「まぁね。ここの雰囲気好きだから」


「へぇ……」


「そんなに久々ならなにか頼んだら?」


「いや、今日は良いや。オレ今日は帰るね」


「え……」


「今日はありがとな!一応考えておいてくれ、頼んだ」


「あ…うんっ」


 "じゃ、また"、と神藤くんと手を振って、神藤くんが離れていく。


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