紅屑の記憶

氷付けにされた
桃色の髪の少女…
何重にも鎖につながれている


「…………………」


リシナは少女を
無言で見つめた


見るも無残な光景なのに
今彼が感じたのは
少女の美しさ…可愛らしさ…



氷の中で眠る少女が
神秘的で見とれていたのだ

「……何故このような…」

リシナは労るように
その氷に触れた




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