男装人生
旅館の裏手にまわったところ。
樹里ちゃんの家は案外近くにあった。
洋風の豪邸をイメージしていたのだが、旅館の日本庭園に似合う純和風の平屋だ。
普通の一般市民の家より大分大きいとは思うのだが、何せ國亘旅館を見た後だ。
こじんまりとして見える。
玄関を入り奥にある客間に通された。
掘りごたつに怜悧、凛、その前に樹里ちゃんが座る。
「・・・・」
「・・・・」
樹里ちゃんの機嫌は最悪のようだ。
「・・・うわぁ・・・和風の家っていいね・・・あ、でも樹里ちゃんはお屋敷とか合いそうだよね。うん。似合う似合うっ‼」
あまりの気まずさにそんな言葉が口をついて出る。
「・・・」
「・・・」
うわぁ~私空回りしてるし・・・
凛、なんか喋ってよぉ‼
樹里ちゃんがスッと席を立つ。
「お茶を持ってくるわね。」
「お、お願いします。」
「・・・・」
凛、頑(カタク)なに喋ろうとしないな・・・
.