still
一瞬だけあたしの顔を見た二宮は
あたしの腕を引っ張り、自分の後ろに隠すように移動させた。
動いた拍子に、あたしの目からは涙が一筋流れた。
「音弥、こいつ前言った俺の彼女」
「へぇ。お幸せに。
てか司、次の授業俺とコイツサボるわ。
先生に適当に言っといて」
「?
了解」
「あ、これ、担任から」
二宮はあたしが持っていたプリントを奪い、司くんに渡した。
「葵衣、行くぞ」
二宮はびっくりするくらい優しい声でそう言って、
あたしの手を引いて歩き始めた。
ちゃんと、司くんにあたしの顔が見えないような位置にいてくれてた。