学校の王子様!!②
「お、おぉ…」
思わず歓喜の声が漏れる
初めて下駄箱に手紙が入っていなかったのだ
「あ、咲羅も入ってなかった?」
「雅翔も!?」
珍しい、軽く奇跡に近い
「付き合ってることが広まったのかもしれないね…」
「このまま何も無ければいいけどね」
本当にこのまま何も無く平和に過ごしたい
「教室に行こうか」
「うん…そうだね…」
嬉しいけど雅翔の偽王子スマイルでテンションはがた落ちだ
「あの…中野さん…」
「ん?」
振り向くと短髪黒髪に黒縁眼鏡の男子
身長は雅翔よりも少し低いかな
「あ、篠田君!どうしたの?」
篠田(シノダ)君は落ち着いていてあんまり目立たない感じの男子だけど
学級委員をやっていたりしてしっかりしてる人だ
「あの…さっき武田先生が捜してましたよ?」
〔武田(タケダ)先生は咲羅たちのクラスの担任〕
「え゙!?じゃあ行かなきゃ…雅翔ごめん!!」
「ううん、大丈夫だよ」
「篠田君ありがとう!」
篠田君はニッコリと微笑んでくれた
だけど雅翔は少し不機嫌みたいだ
…………なんでだろう