君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
「明、彼氏つくりなさいな」
なんで、お母さんにまで心配されるんだろう、あたし。
「なんでよ」
「彼氏いれば、美加ちゃん達とダブルで出かけられるじゃない」
「いいよ、あそこのバカップルは一緒にいると疲れるんだから!あたしは、松島のバンドの順番が終わるまでの美加の子守り。終わったら適当に食べて帰ってくるし」
「つまらなーい!」
だから、なんでお母さんにそういう事を言われなきゃいけないの。
「じゃあ、そのライブで適当に見つけてくるよ」
なーんて、本当に適当に言い残し、二階に上った。