君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



「いてぇ…」

「ごめんなさい!大丈夫?!怪我とか?!捻挫とか?!」

「怪我してる体で話さないでよ」

慌てるあたしに、大丈夫と言いながら、体を起こす体制のまま、奏が固まった。


「どうしたの?」

「あ、、、いや、明、俺から降りられる?」


「…ぅわっ!!!」

そう。バランスを崩して倒れこんだ先は、奏の腕の中で、あたしたちはボードで自由に動かせない足を交互に重ねた状態で倒れていたのだ。

めっちゃくちゃ恥ずかしいじゃないか、この状況!!!

はっと我にかえって周りを見回すと、幸いにも誰もいなくて。

ほっとしてからグッと足に力を入れて、立ち上がろうとしたときだった、、、



< 329 / 344 >

この作品をシェア

pagetop