S・S・S




「…そんな、バカな。」

「ウソじゃないわ。私も選考の場にいたもの。」

「なんで…?」

「それは彼にしか分からないわ。でも、トウマくんがサラちゃんを買ってるのは、確かよ。だから、サラちゃんにだけ厳しいのよ。」

「でも…好きじゃないって…」

「恋愛感情に関しては分かんないけど…。でもさ、“女を自分好みに育てる”って男の夢よね。

ま、トウマくんも、色々背負ってるものがあるんだろうから、もうちょっと、頑張ってみなよ。あたしに言えるのは、このくらいだよ。」


「サエさん………」




トウマが――… あたしを推薦した?

本当は、別の子に、決まりかけてたのに?






―――…





それは、ずっとあたしが疑問に思っていた事の、ひとつの答えだった。


“どうして、あたしが選ばれたんだろう”って。





知らなかった。


どうして――… 

トウマは、あたしをプッシュしたの?




わからない。

わからないけど―――…



そんな風に期待してくれていたのに

あたしの頭はいつだって煩悩まみれで。



期待を軽く裏切っていたのは、事実だ。





―――… 情けないよ、サラ。




< 65 / 452 >

この作品をシェア

pagetop