S・S・S






外に出ると、また新しい雪が降ったのか、足元がサクサクと軽い音を立てた。


雪山の夜はしんと深くて、
星は、落ちてきそうなくらい近い。




『サラちゃんを選んだのは、トウマくんよ』



さっきのサエさんの一言が耳から離れなかった。




「トウマ…」




針葉樹の森を横に歩きながら、温泉へと向かう。


吐き出した白い息の向こうで、名前も知らない星が、潤むように綺麗に瞬いていた。







< 69 / 452 >

この作品をシェア

pagetop