幸せの在りか
「待てよ。お前がどこ行こうと、あいつはどこまでも追いかけて来るぞ。
そんなのはただのいたちごっこだ。
ここでちゃんと向き合わないと解決しない。
まだ…勇気は出ないのか?」
「私が…どんな生き方をしてきたのか聞かないの?」
「聞いても過去は変わらない。大事なのはこれからの事だ。
お前には未来があるだろ。それを笑顔で過ごすのも、過去を嘆いて過ごすのも自分次第。
同じ一生なら笑顔で過ごしたいと俺は思うけどね。」
じわじわと熱いものが込み上げて喉の奥がキュッとした。
こんな風に私を励ましてくれた人は今までいなかった。傷ついた心をそのまま受け入れてくれたのは誠が初めてだ。
「…怖いけど、やってみる。…ついてきてくれる?」