幸せの在りか


そう言って立ち上がろうとしたけど、膝がガクガクしてうまく立てない。その駅員はふらつく私の腕を掴んだ。


「危ない!そんなんじゃ一人は無理だ。家には誰もいないの?」

「……。」


黙ったままの私に困った表情をして、しばらく考え込んでいるようだった。


「…仕方ない。後、一時間我慢できる?一時間したら仕事終わるから、それまでここで休んでて。」


そう言うと、もう一度私をソファーに促し、毛布を掛けた。

そして居合わせた駅員に声を掛けると、その部屋から出て行った。

後、一時間か…。眠い。少し寝よう…。

瞼を閉じた。



< 3 / 167 >

この作品をシェア

pagetop