幸せの在りか
そう言って立ち上がろうとしたけど、膝がガクガクしてうまく立てない。その駅員はふらつく私の腕を掴んだ。
「危ない!そんなんじゃ一人は無理だ。家には誰もいないの?」
「……。」
黙ったままの私に困った表情をして、しばらく考え込んでいるようだった。
「…仕方ない。後、一時間我慢できる?一時間したら仕事終わるから、それまでここで休んでて。」
そう言うと、もう一度私をソファーに促し、毛布を掛けた。
そして居合わせた駅員に声を掛けると、その部屋から出て行った。
後、一時間か…。眠い。少し寝よう…。
瞼を閉じた。